2025年10月24日
こんにちは!最近は肌寒くなってきましたね。皆様体調を崩されないようお気を付けください。
本日はラバーダムについてです。
歯科医院で治療を受けているとき「ゴムのシートのようなものを口の中につけられた」経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
それが ラバーダム と呼ばれるものです。ラバーダムは治療する歯だけを口の中から隔離するための薄いゴム製シートであり、主に精密な治療を行う際に使用されます。
◆ ラバーダムを使うメリット
ラバーダムの一番の目的は「治療の精度と安全性を高めること」です。
使用することで次のような多くのメリットがあります。
・治療部位を清潔に保てる
お口の中には多くの細菌が存在しています。ラバーダムを使うことで唾液や細菌が治療部位に入り込むのを防ぎ感染のリスクを大幅に減らします。特に根管治療(神経の治療)のような無菌操作が求められる処置ではとても重要です。
・唾液や湿気を遮断して確実な接着を実現
コンポジットレジン(CR)などの詰め物は歯と材料がしっかりと接着することで長持ちします。しかし少しでも唾液や水分が入り込むと接着力が弱まり再びむし歯になる原因にもなります。ラバーダムで乾燥した状態を保つことでより強く確実な接着が可能になります。
・誤飲・誤嚥を防ぐ
治療中に使う小さな器具や薬液が、万が一の事故で喉に落ちてしまうのを防ぎます。患者さんの安全のためにも大切な役割を果たしています。
・患者さんの快適さにもつながる
水や薬液が喉の奥に流れ込みにくくなり、治療中の不快感が軽減します。また唇や舌を引っ張られる感覚も少なくリラックスして治療を受けていただけます。
◆ どんな治療のときに使うの?
ラバーダムは、すべての治療で使うわけではありませんが、特に以下のような場面で活躍します。
コンポジットレジン修復(CR充填)
小さなむし歯を削って樹脂で詰める治療では唾液や湿気が接着を妨げます。ラバーダムを使うことできれいで長持ちする修復が可能になります。
根管治療(歯の神経の治療)
感染を防ぐために「無菌的環境」で行う必要がある治療です。ラバーダムを使用することで治療中に唾液や細菌が入り込むことを防ぎ再感染のリスクを最小限に抑えます。
被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)の装着時
セメントで歯にしっかりと接着させるためには水分のない環境が不可欠です。ラバーダムを使えば接着の強度が安定し被せ物が外れにくくなります。
◆ まとめ
ラバーダムは、治療の「質」を大きく左右する重要な道具です。
少し大げさに見えるかもしれませんが患者さんの安全・快適さ、そして治療結果の良さを守るために欠かせないものなのです。
当院では必要に応じて積極的にラバーダムを使用し、できる限り清潔で精密な治療を行うことを大切にしています。
「なぜこのゴムのシートを使うの?」と感じたときはぜひ遠慮なくスタッフにお尋ねください。
